海外との交流

カリフォルニアとの交流

はやくゆっくり
出会い年表

  • ダニエル・メドウズさんのワークショップ
  • 知的障害者がパワフル
    カリフォルニアで、ダニエル・メドウズさんのワークショップに参加しました。ダニエルさんは知的障害を持つ当事者で、ピープルファーストのリーダーの一人です。パワフルでエンターテイナーで、会場にいる人を惹きつけます。私はそのエンターテイナーぶりに驚きました。また、彼に与えられた時間をほぼひとりでやりきっていることにも。そしてファシリテーター(支援者)の存在を私達に意識させないのです。だけど実際は彼にもファシリテーターは存在しています。
    「どういう生活をしていますか」と質問すると「ピープルファーストの役員をしています」とか「エリアボードの理事をしています」と答えてくれます。エリアボードというのは地域の障害者の権利を守るための一つの組織です。その中に当事者が入らなければならないと決められています。その地域組織の役員に入っているということが誇らしく、まず一番最初に語りたいことだということに気づきました。 コニーさんという人とも出会いました。パンジーの当事者のみどりさんに「みどりさんはみどりさんのままでいいんだよ。だけどみどりさんがリーダーになりなさい。そして他の人をリーダーに育てて」「私は今ピープルファーストのリーダーをやめました。なぜかと言うと私がリーダーにいると他の人がリーダーになれないからです」と言っていました。みどりさんは恥ずかしそうに、また非常にうれしそうな顔をしていました。それは私達健常者がみどりさんにあげられるものではなく、当事者のリーダーは大切な存在だということに気づかされました。
支援者が果たしてきた役割
  • 現在のアメリカではファシリテーターは知的障害者によって選ばれ、契約書を交わすそうです。健常者からあなたのファシリテーターになりたいと言っても、だめだそうです。当事者に選ばれるということが、支援者の一つの自信につながっていると思いました。また、障害者が理事会の理事になりたいと言ったら、その人が理事になって初めて支援者の仕事が評価されます。自立生活がしたいと言えば、その人の望む自立生活ができはじめたときに、支援者は評価されます。日本と違い、実際にゴールを達成したかどうかが評価になるのです。そのために理事になりたいと言ったときには立候補する方法から始まり、最終的には自分の意見をまとめて理事会に望むという緻密なプログラムを立てていきます。
    支援者には緊張感がありました。あそこのプログラムを使ったら絶対自立生活ができるとか、絶対理事になれるとか、そういう形で本人達が選び、本人達についたプログラムに初めてお金がおります。支援者自身の生活に関わっている緊張感だし、それが障害者に選ばれるという自信につながっていると感じました。
  • コニーさんとみどりさん
  • IPPが大切
    今の時点で私が理解したIPP(Individual Program Plan (自立生活プラン))とは、障害者にとって必要な援助やサービスを選んで受ける権利、そのための一人ひとりの個人の計画ということです。どこに誰と住むか、どこで働くか、誰と友達になるか、どんな楽しみを持つかについて、本人とリージョナルセンター(障害者へのサービスを提供する窓口的役割をもつ機関)との話し合いで決まります。そうすると、そのプログラムは法律で保障されて、絶対実行されなければならないそうです。そのプログラムに対して作成費用とか、サービスに必要となる人件費が保証されるのです。日本ではある一つのメニューを受けた機関に丸ごとお金を出すやり方だから、大きな違いがあるなと感じました。
  • 日本での実践
    アメリカの障害者の人たちは非常に自信をもっていました。一方で私が付き合ってきた知的障害者の方たちが大人として当たり前の生活をしているかというと、ほんの一部の人だと思いました。それはアメリカ流に言うとゴールに達していないということだと思うんです。緻密な過程をふんで計画を立ててやっていかないと、理念や何とか頑張ろうやというだけでは大多数の人が当たり前の生活をすることになっていかないなと考えました。
    カリフォルニアで学んだ「パブリックスピーキング」という本があります。知的障害者がどういう方法で相手にわかりやすいスピーチをするかという内容です。この本の最初の部分を元に、パンジー流にアレンジしてマニュアルを作ってみました。挨拶から入って、自己紹介をし、話すことを三つあげて1番目は何々…そうカンニングぺーパー。だけど私がうれしかったのはパンジーの人たちがこれを使って講演をしたんです。そうすると上手に話せる。そうしたら「これがあったら私はうまくしゃべれるんや」みたいな、大切なものになっているんです。パンジーの何人かの人たちは、講演に行くたびに上手になっています。私はこういうことをみんなの意見を取り入れながら、もっともっと増やしていけたらいいなと思っています。
     
    各種マニュアル創思苑流にアレンジして作った各種マニュアル
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